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Uの忘れ物

忘れ物をしない為に 振り返ることが 今の俺にできるたった1つのこと

それぞれの想い

俺は以前
字を読むのが苦手だった。

なぜなら、
眠たくなるからだ。

特に小説は最悪だった。

1行。

たった1行
読めたのは
タイトルのみ。

本文は5文字ほどでお腹一杯になった。

決して、
つまらない訳ではない。

頭がパンクして
フワフワする感じになる
それが苦痛で
でも、心地良い
まるで現実逃避するかのようだった。
文字を文字と認識しない。
例えば、ありがとう という単語を、
「ありがとう」 という 形のものとして、
脳が処理しているかのように、
全く書いてあることが頭に入ってこない。
たから、認識できない。
色々な形の「もの」が一斉に襲いかかってくる感覚だ。
処理できるわけがない。

しかし、
転機が訪れた。

短歌との出会いだ。

高校の時
短歌の授業があった。

そこで
作品を発表することになった。

確か…

オルゴール
渡す為に
買ったのに
部屋に流れる
星に願いを


これが何故か絶賛された。
正直嬉しかったのを覚えている。

俺以外にも
クラスの皆が詠んだ短歌があるわけで、
俺はそれを懸命に詠んだ

5
7
5
7
7

たったこれだけの短い言葉に
どれほどの想いがこもっているのか
これを詠んだ時の
その人の心情ってなんだろう
どこでこれを詠んだんだろう
なぜこれを題材にしたのだろう
何を伝えたかったのだろう
受け手に何を望んでいるのだろう

そこには
俺の知らない
計り知れない
壮絶な想いがあるのではないか
俺が想像もできない苦悩の果てに
絞り出された一言なのかもしれない

俺がそうだった
たったあれだけの言葉を書き出すまでに
どれだけの複雑に絡む感情と向き合ったか
曝け出すことにどれだけの勇気がいったか

それぞれの想い

それぞれの表現

そこには魂が宿っていると思う

それに気付いてからは
眠気と戦い
頭が吹っ飛びそうな中
懸命に その想いに触れようとした

周りを見渡せば

言葉が溢れている

でも、
それは
そのような形をしたものではない

そこには
想いが込められ
魂が宿っていると思う

だから、
どんな言葉も大切にしないといけない

もちろん
悪口や誹謗中傷はいけない

しかし、
その背景を考えることを忘れてはいけない

それが、
向き合うということだと思う。